2019/1/21に日本vsサウジアラビアのサッカーアジアカップ決勝トーナメントが開催されました。
日本にとってここからは本当に『負けられない戦い』に突入します。相手はグループリーグE組2位通過のサウジアラビアです。今までより『1点』がより重く感じられる試合になるかと思います。サウジアラビア戦はどのような試合運びとなったのでしょうか?
今回は試合内容の結果はもちろん、その他さまざまな視点から独自に分析します。
これまでのサウジアラビアとの対戦成績と相手のFIFAランキング
日本vsサウジアラビアの国際Aマッチ試合における対戦成績は8勝4敗1分と対戦相手としての相性は良い方です。
最新FIFAランキングでは69位と日本のFIFAランキングが50位であることからすれば、ほぼ同等と考えて臨むべきです。サウジアラビアは数字上では日本より格下相手ですが、日本はわずか1点差と苦しい戦いが続いています。よって相手に1点でも先行されると非常に苦しい戦いになりそうなのが決勝トーナメントと考えてもよいです。
そもそも『中東の笛』とは?
日本ではサッカー用語に数えられている『中東の笛』とは基本的にアラブ諸国に審判が有利な判定をすることを指します。
サウジアラビアは中東諸国の中で存在感や規模が大きい国の一つで、かつては王族がサッカーなどのスポーツに干渉して自国や同じ中東の国が勝つように影で仕向けていたことがありました。大々的に行われた例として1982年ワールドカップフランスvsクウェート戦でフランスのゴールが決まった後にクウェートのファハド王子が乱入して、審判に詰め寄りなぜかその後にフランスのゴールが取り消されたことがあったのです。
日本vsサウジアラビア戦で担当する主審はウズベキスタン人のラフシャン・イルマトフ氏です。ウズベキスタンはどちらかというとロシアに近いのでサウジアラビアなどと結託!?とは考えにくいですが、相手がサウジアラビアなので過去の例を踏まえ『中東の笛』に気をつけなければならないと思うのも無理はありません。
実際の試合結果を簡単に紹介
サウジアラビアのキックオフから始まりました。
日本のフォーメーションは4-2-3-1と変わらず、トップ下に北川から武藤に変更しほか10名を入れ替えて試合に臨みました。開始早々にサウジアラビアが日本の守備陣の隙を突きシュートを放つもゴール枠の左に外れました。序盤はお互いにオフサイドなどで決定機を作れず時間が過ぎていきました。しかもサウジアラビアにボールを支配され続けている時間が多い状態でした。
そして運命の瞬間が訪れました。
前半20分に直線に得たロングボールから相手のDFに当たって手に入れたコーナーキックより柴崎がキッカーとしてクロスをゴール前へ送り、競り合いや駆け引きなどを結果的に成功させた冨安が頭で合わせゴール左に沈めて先制点!その後はスローインからクロスで味方に送るも敵のDFに阻まれてしまいます。前半33分にコーナーキックのチャンスが日本に訪れ柴崎がボールを蹴ってクロスを送りますが、飛び込んだ吉田とタイミングが合わずそのままゴールラインを割ってしまいました。前半終了まで両者の攻めあいが続くもそれ以上の得点はなりませんでした。
後半は日本のキックオフで始まりました。
後半の序盤は両者ともにチャンスを作ってもモノにできず、時間が過ぎていきます。ただ、時間を追うごとに徐々にサウジアラビアペースとなり日本がなかなかボールを持てない時間帯が続きました。敵のFWアルムワラドにシュートを許してしまう状況が度々あり、GK權田やDF陣の活躍で敵に得点を許していません。
またサウジアラビアのCKが目立ちそのたびに日本代表は総力をもって体を張りながら敵の得点を防いでいました。後半はサウジアラビアの攻めが目立ちましたが、結果的に前半の1点を守りきり日本は辛くも勝利しました。決勝トーナメントは負けたら終わりの1発勝負なのでたとえ1点でも大事なのです。
守備陣の粘り強い動きと数少ないチャンスをモノにした日本の勝利
試合を振り返ってみると、サウジアラビアのボール支配率は前半後半合わせて7割を超えていました。つまり、日本は数少ないチャンスをモノにして得点を入れて勝利したことになります。同時に『中東の笛』を警戒していた選手もいたはずです。この試合は日本の守備陣がしっかりと機能し、敵に得点を許さない姿勢が現れていたと思います。
今後の試合に向けて必要とされること
攻撃力とボールの支配率に課題が残る結果となりました。
しかし、数少ないチャンスをものにできたことは今後決勝トーナメントを勝ち進んでいくうえで重要な要素となります。失点を防ぎつつ、なにより勝つことが大事です。できれば得点力の要の選手である大迫の復帰が待ち遠しいです。日本vsサウジアラビアは日本が不利という先入観がありつつも、1-0で辛くも勝利できました。
ボールを相手に支配され続けていた時間が長かったことが今後の反省点になりそうです。でも先に1点入れてしまえば、相手に動揺を与え同時により攻撃的になってくることが予想されるので、守備陣が連携ミスをなるべくゼロにしてうまく機能してこの試合のように相手に得点を与えないことが大事になってきます。