アジア最強のイランに勝てるのか?意外な突破口で制した試合を分析

2019/1/28に日本vsイランのサッカー決勝トーナメント準決勝が行われました。

ベトナム戦で勝利した日本代表はオマーンや中国戦で得点すら許さない活躍の末に勝ち上がってきたイランと対戦することになりました。この強敵イランを倒さなければ決勝へ進出できないので引き続き『負けられない戦い』が続きます。イラン戦はどのような試合運びとなったのでしょうか?

今回も試合内容の結果はもちろん、その他さまざまな視点から独自に分析します。

これまでのイランとの対戦成績と相手のFIFAランキング

日本vsイランの国際Aマッチ試合における対戦成績は5勝7敗6分と分が悪く、対戦相手としての相性は悪い方です。FIFAランキング(2018年12月分)では29位と日本よりは格上の相手となっています。アジアカップでは初めて日本は格上の相手と戦うことになります。

そんな格上相手にどのように立ち回り、試合を展開していくのかが見物です。

実際の試合結果を簡単に紹介

フォーメーションの大まかな変更はなく、唯一変更があったのが負傷していた大迫が1トップに復帰したことです。日本は開始早々に攻勢を仕掛けるも相手DFに阻まれてしまいます。その後、敵のFWアズムンにボールがいきわたり、ペナルティーエリア内で守備陣やGK権田が冷静な対応をして敵の得点の芽を摘みました。日本はCKのチャンスを得るも、うまく味方に合わせることができず得点に結びつきませんでした。

対するイランもアズムンを中心に攻めますが、守備陣や権田の活躍で得点を防いでいました。中盤以降は両者共にCKやフリーキックのチャンスを得るも、なかなか得点に結びつけることができず、終盤になってフリーキックを放った堂安にペナルティーエリア内にいる酒井が頭で合わせに行くも競り際で相手へのファウルを取られてしまい、これまた得点に至りませんでした。イランの同様にフリーキックのチャンスを得るも、日本代表が総力を挙げてペナルティーエリア内に入ってきたボールをクリアし、敵の攻撃を防ぎました。このまま両者無得点のまま前半は終了しました。

後半に突入して日本はピンチの展開が続きました。後半開始早々に酒井が相手のシュートを手でブロックしたとしてイエローカードの判定、その後のペナルティーエリアに近いところから相手がフリーキックを放つも、ゴールの枠の外へ消えていきました。今度は中央からフリーキックでペナルティーエリア内に入れて、先制点をイランが狙いますが、日本代表の総力で相手にゴールを許しません。

後半立ち上がりで苦しい状況が続く中、運命の瞬間が訪れました。

後半11分に大迫が最終ラインの裏にはたき、南野が抜け出すとPA手前左で相手に倒されますが、南野は素早く起き上がりボールを追いかけている最中に、イランの守備陣がファウルのアピールをするも、ホイッスルが鳴らず、その間に南野はクロスを上げ、その間にフリーになった大迫が頭で合わせゴール!なんとも奇妙な隙をついた先制点でした。そして両者選手を1名ずつ交代し、攻防が続きます。

後半18分に南野の蹴ったボールが相手の手に当たりハンドの判定。しかもペナルティーエリア内だったのでPKを獲得しました。このプレーは一時VAR判定になりましたが、結果的に判定は覆らず日本にPKが与えられました。キッカーは大迫で、相手の動きをよく見て逆を突き、ゴール右下に吸い込まれ追加点!

後半中盤で日本は2点リードとなりました。

焦ったイランは交代枠を2枚使い攻勢に打って出ます。そこは日本の守備陣と権田が相手の攻撃を防ぎ得点を許しません。

さらに日本に追加点がもたらされました。

後半アディショナルタイム中に原口が相手のパスミスから相手GKとの1対1になり、冷静にゴールを決め3点目。事実上の勝負ありで試合終了。日本は強敵イランから3点を奪い、3-0で勝利しました。試合終了間際には相手とのいざこざで乱闘寸前に発展しましたが、アズムンと長友がお互いにイエローカードをもらっただけで済みました。

後半での『あきらめないプレー』が勝利を舞い込んだ!?

今回の勝因はなんといっても、南野のあきらめないプレーが勝機を呼びました。ファウルかどうかは主審が決めるのであって、選手一個人の判断でどうにかなるものではありません。その認識の差がチームとしてあらわれたのだと思います。

今後の試合に向けて必要とされること

前半の様子から見て苦戦は必至で、延長戦もやむを得ないと感じたサポーターの方もいたとは思いますが、結果的にフタを開けてみれば、3-0で日本は強敵イランに勝ちました。

細かい連携などの課題もあるかとは思いますが、ここまでくれば必要とされることはただ1つ!あと1勝して『アジア王者』に返り咲くことです。決勝戦が楽しみです。日本は強敵イラン相手に前半は苦戦しました。

延長戦やその先のPK決着も可能性としてはありましたが、相手の隙を突いて先制点を入れたことに価値がある試合だと思いました。