大迫の負傷で得点力が欠けたオマーン戦それでもなお勝利できた要因

2019/1/13に日本vsオマーンのサッカーアジアカップグループリーグ第2戦が行われました。

初戦のトルクメニスタン戦で辛勝した日本代表はこの試合にも勝って早い段階で決勝トーナメント進出を決めたいです。オマーン戦はどのような試合運びとなったのでしょうか?

今回は試合内容の結果はもちろん、その他さまざまな視点から独自に分析。

これまでのオマーンとの対戦成績と相手のFIFAランキング

日本vsオマーンの国際Aマッチ試合における対戦成績は8勝0敗3分と一度も負けておらず、勝率が高いことから相性がよい相手です。

最新FIFAランキングでは82位とトルクメニスタン同様に日本よりは格下の相手となっています。特にアクシデントさえなければ十分に勝てる相手で、大差をつけて勝つことで次のウズベキスタン戦に優位に立つことが可能です。ですが初戦のトルクメニスタン戦のような展開になってしまうと1点が重くなるので…。

実際の試合結果を簡単に紹介

試合が開始されましたが、トルクメニスタン戦に出場していた大迫が負傷したいたことで大事を取って急遽代わって、1トップでFW北川航也が先発しました。フォーメーションは変わらず4-2-3-1。初戦とは違い日本代表は序盤から攻勢に打って出ます。前半2分にボールを持った堂安が敵のペナルティエリアに切り込み、原口へクロスして原口がシュートするも惜しくもクロスバーに直撃しゴールならず…。前半8分に南野が抜け出して敵のGKと1対1になるも、相手のファインセーブに阻まれゴールならず…。いずれも決定的な場面でしたが、点数に直結しないので悪い流れが日本代表を包み込もうとしていました。

しかし前半26分、運命の瞬間が訪れます。

ボールを受け取った南野が敵陣のペナルティエリア内でシュートを放つも、敵のGKに阻まれセカンドボールを拾い、原口がシュートしようとした時に相手に倒され、その判定がなんとPKになったのです。もちろん蹴るのは原口本人です。原口は落ち着いてゴール左に力強く蹴り込み日本は先制点をもぎ取りました。その後オマーンは攻勢に出ますが、長友などの守備陣の活躍で相手を抑えて前半を1点リードで折り返します。

後半はオマーンの守備陣が堂安や南野などのマークを強めて、思ったようなプレイをさせなくしてきました。さらなる得点を奪いたい日本は得点に絡むシュートをなかなか放てない北川に代わって武藤を送り込みました。武藤は浅野が怪我をして代表を離脱したため、急遽代表メンバーに選ばれた人物です。後半34分にGK権田からのロングフィードを受けた南野が単独突破でPA内に切り込んでシュートするも敵のGKの正面でセーブされてしまいます。お互いに決め手に欠けたまま試合が終了し日本はオマーンに1-0で勝利しました。

この瞬間に日本はグループリーグで2位以上が確定し決勝トーナメントに進出することが決定しました。

試合には勝ったが、なぜ得点力に欠けてしまったのか?

多くの専門家の意見と同じになる場合もありますが、独自の視点でお伝えします。

試合内容をざっくり振り返ると、日本は原口のPKによる1点で勝利しました。ボール支配率も相手より高いにもかかわらず、決定打を打ち込めませんでした。日本代表は大迫勇也という切り込み隊長を使わないで試合に臨まざるを得なかったことが得点力にかけた要因の1つとして考えられます。仮に大迫以外のフォワードでも連携や敵陣に切り込むシミュレーションを重ねていれば、もう少しよい試合展開になっていたと思います。この試合の柴崎の動きが少ないように感じました。

ロシアワールドカップの時であれば前線にうまいパスを送り込んでFWや攻撃的MFがもっと得点に絡むぐらいの活躍ができたと思っております。また大迫以外が1トップに起用されたときのシミュレーションや実践練習をもっと積んで対応できるようにしておいても問題ないように感じました。大迫不在の時には得点を奪えるフォーメーションの開発・運用が必要に思いました。

今後の試合に向けて必要とされること

得点力の支柱的存在の大迫だけに頼るやり方を是正したほうがよい気がしました。日本はこの結果をもって決勝トーナメントに進出が確定しましたが、決勝トーナメントは1回でも敗戦したらそこで終わりです。守備陣は機能していても得点力に欠けてしまうと延長戦やPKにて勝敗を決めなければならないので結果的に負担が増します。勝っても初戦同様に課題が残る結果となりました。

次のウズベキスタン戦は勝敗を気にすることなく挑むなら、課題解消を兼ねて臨むことが決勝トーナメントに活きてくるものだと私は考えます。

オマーン戦はこれまでの対戦成績から一度も負けていません。試合を通して結果的には勝ちましたが、課題が残る結果となりました。大迫不在時の得点に絡む起点、守備陣の連携、これらを解消できないまま決勝トーナメントに進んでも敗戦の可能性が高くなります。次回のウズベキスタン戦ではそれらを解消できるような結果が求められます。