日本代表の“4-0”完勝、しかし明確な攻撃の形に課題あり?

“4-0”の完勝!

ロシアW杯アジア最終予選でタイをホームに迎えた日本代表の結果はこのような形で大々的に取り上げられました。しかし、著者は“ある部分”において非常に危機感を抱いた試合となりました。今回は、本試合を通じてW杯を戦う日本代表の未来図を占っていきたいと思います。
『前半2-0、後半2-0』
確かに結果だけを見るのであれば素晴らしいです。
しかし、ひとたび試合内容に目を向けると大きな一つの大きな
“問題点”抱えていることが判ります。

それは、
“明確な攻撃の形”を持たない!
ということです。

試合開始直後から酒井高徳と山口蛍を起点にDFラインからビルドアップを図りますが、流れを変えるために最も大切な“くさびのパス”をことごとく失敗し、攻撃の糸口を掴めません。結局、前半の2点はともにDFラインからのロングボールから久保の“個人技”が相手に勝り得点に繋がりましたよね。また、後半の久保の3点目も個人技からのミドルシュート、4点目は吉田のヘディングシュートでした。アフリカでサッカー経験がある著者はこの試合を観ながら日本代表のサッカーがアフリカ諸国のサッカーに見えてしまいました。アフリカサッカーとは“個人技で勝るものが勝利する”という非常にシンプルなサッカーです。かつてアルジェリアを率いてW杯ベスト16に導いた実績のあるハリル監督が求めるサッカーは“身体能力”が高く“デュエル”において高確率で勝つことができることを前提条件としています。

今回は、タイが相手でしたので個の力で上回ることができました。しかし、W杯の本戦においては恐らく11人すべての選手が個で劣ることになるでしょう。そのような状況下で今回のようなサッカーをすれば、間違いなく劣勢を強いられることになります。実際にアフリカでサッカーに従事している著者にこれだけは言わせてください。アフリカのサッカーを日本で実践することは不可能です。故に、このサッカーをベースにしながらある程度“グループ”で攻撃していくことをしていくことを提言したいと思います。

具体的には、
守備も攻撃も相手より常に“1人”多い状況を作ること。
これを私たち日本代表が愚直に続け、その上でそれぞれの個性を発揮できるような環境・仕組みを構築することができればW杯本戦の戦いは明るい見通しがたてられそうです。いずれにせよ、この試合では結果以上に多くのことを得ることができた実りある試合だったのではないでしょうか?