2024/10/11にFIFAワールドカップアジア最終予選、日本vsサウジアラビア戦がバキング・アブドゥッラー・スポーツシティで行われました。
アウェーでの戦いとなり、特にサウジアラビアは中東屈指のサッカー強豪国です。
サウジアラビア代表はワールドカップ本戦に出場するだけの実力があるため、いかに日本でも簡単に勝てる相手ではありません。
試合内容について独自に解説した内容でお届けします。
サッカー日本代表はサウジアラビア戦の成績で優位だが…
2024年9月時点でFIFAランキングは日本が16位でサウジアラビアが56位です。
これまでの対戦成績(国際Aマッチ)からすると日本の10勝1分5敗と勝ち越していますが、直近5試合では、日本が3勝2敗となっているため、必ずしも優位ではありません。
また、2敗はいずれもアウェーでの敗戦となっているため、日本代表本来の実力が出せるかどうかが勝敗につながってきます。
アウェーでの戦いは、サウジアラビアにとって実力以上のものが出てくると想定されるため、日本代表がサウジアラビアの守備を突破してゴールに結びつけられるかどうかが焦点です。
一進一退の攻防が続いた試合について振り返る
フォーメーションは引き続き3-4-2-1と変わらず、所属クラブの関係で合流が遅れた久保選手がスタメンから外れて、右ウイングバックに伊東選手ではなく堂安選手が入りました。
前半が始まると、序盤から一進一退の攻防となります。
開始1分でサウジアラビア代表が仕掛け、裏へのパスを活かして攻め込むも、GK鈴木選手によってボールが処理されゴールを防ぎます。
すぐあとに、南野選手が左サイドの深い位置から折り返してゴールを狙うも、相手GKにキャッチされゴールならず…。
前半8分に左サイドでパスを受けたサウジアラビアの選手が右足でミドルシュートを放つも、GK鈴木選手の正面でセーブし、ゴールを防ぎます。
サウジアラビアに攻められるも、日本代表は決定機を作れないまま試合が進む状況です。
その均衡が破れたのが前半14分、右サイドから堂安選手がクロスを入れて、敵陣PA左側にいた三苫選手にボールが渡り、ボールをPA中央付近へ折り返して、守田選手が頭でPA中央に送ると、鎌田選手が反応して左足で押し込み、ゴール!
日本が先制点を挙げました。
先制点を挙げた日本代表は、攻勢に出ます。
中盤は上田選手や遠藤選手などパスを出したり走り込んだりして、追加得点を狙うも相手DFやGKに阻まれゴールとはなりませんでした。
ただ、前半27分にサウジアラビアの選手が倒れてホイッスルが鳴らず、一瞬の隙を突かれたのか自陣PAまで攻め込まれ、複数のサウジアラビア選手にシュートを打たれるも、町田選手、守田選手、遠藤選手以外に三苫選手も加わり、体を張ってゴールを阻止したのです。
ただ、このプレーでサウジアラビアに勢いを与えてしまうことになります。
南野選手が相手選手へのファウルでイエローカードをもらってしまうと、終盤はサウジアラビアに攻め込まれる展開が続いてしまいました。
特に前半42分には、サウジアラビアの選手に自陣PA付近までドリブル突破され、強烈なシュートを放たれるも、GK鈴木選手のファインセーブで失点を防ぎました。
前半アディショナルタイムを消化してお互いに得点はなく、前半が終了して日本は1-0で折り返します。
後半開始早々に南野選手に代わり、伊東選手が投入されました。
後半も前半同様に一進一退の攻防が続く展開となります。
序盤は日本代表が攻めると、攻守が交代する形でサウジアラビアも攻める形となり、お互いにイエローカードをもらいました。
中盤になっても同じような状態が続き、お互いに選手交代を行い得点の機会を伺いながら、試合は進んでいきます。
追い付きたいサウジアラビアは懸命に日本のゴールポストを脅かすために攻め続けます。
試合を決定づける出来事が後半35分に訪れました。
CKから伊東選手が敵陣PA付近へクロスを供給し、反応した小川選手がヘディングでゴール左へ押し込み、貴重な追加点を挙げました。
あとがなくなったサウジアラビアは交代枠をすべて使い日本ゴールへ襲い掛かるも、森保監督も交代枠をすべて使い、相手の攻勢を止めながら更なる追加点の機会を伺いつつ攻める手を緩めません。
結局サウジアラビアは得点することができずに試合が終了し、日本は2-0でサウジアラビアに勝利しました。
完全アウェーと呼ばれる状況で勝利できたポイントとは
結論から言えば、前半で日本が先制点を挙げ、サウジアラビアに得点を許さなかったことが大きな要因です。
つまり、アウェーにもかかわらず大勢のサウジアラビアサポーターが繰り出す雰囲気に飲み込まれることなく、日本代表が実力を発揮できたため勝利できたということです。
また、前半27分でサウジアラビアに攻め込まれた場面で町田選手や守田選手などが体を張ってゴールを阻止した場面は日本の守備力の高さを誇る場面でした。
そして、後半で追加得点を挙げたことで、精神的にサウジアラビアを突き放し、勝利につながったと思われます。
まとめ
日本はサウジアラビアに2-0で勝利しました。
観客のほとんどがサウジアラビアサポーターで埋め尽くされる中の「完全アウェー」で勝利できたことで、サッカー日本代表は実力を内外に示しました。
次戦のオーストラリア戦で勝利できれば、日本代表の実力は欧州勢や南米勢も無視できないほど、警戒される対象となるでしょう。